スイッチグラス 石油に代わる新たな燃料とまるか
原油価格が値上がりしている、石油という限りある資源にいつまでも頼ってるわけにはいかない。
そこで、今世界各国で石油に代わるバイオ燃料の開発が進んでいる。
バイオ燃料とは生物体(バイオマス)の持つエネルギーを利用したアルコール燃料、その他合成ガスのことで、二酸化炭素排出量が減ることから主に自動車を動かす石油燃料の代替物として注目されている。
今までバイオ燃料は植物を利用する植物はサトウキビ、小麦、トウモロコシなどであったが、これらの食料をバイオ燃料に回すと、その食料が不足したり、値上がりを起こすことになり、しかも価格がガソリンよりも高くなってしまうと根本的な解決にはなっていなかった。
そこで近年注目を浴びているのが、スイッチグラスという多年生のイネ科の植物からエタノールを取るという技術です。
この植物は環境に強く、肥料もほとんど与えなくても育つうえ、エタノールの原料となるセルロースの成分も豊富に含んでいます。
食料ではないので、これを燃料にまわしても、食糧事情には影響がありません。
また標準的な自動車の燃料と比べると、排気ガスの排出量が少ないので地球環境にも優しい燃料です。
ある意味理想的なバイオ燃料といえるこのスイッチグラス、早く実用化して地球温暖化の防止に役立つことを期待します。
バイオ燃料の抱える問題
自動車用のガソリンとしてのみの利用であり、適応する車種が限られている。
産コストがガソリンのそれよりも幾分高く、日本の税制上、ガソリンと同じ扱いを受けるため、価格が高い。
バイオ燃料はその特性上熱に弱く管理温度が低いため、保存場所や容器等を選ぶ側面がある。本来自動車の燃料に混合させる場合、燃料タンクの改良が要求される。
バイオ燃料そのものは二酸化炭素排出量は減るものの、プラント建設、あるいはバイオ燃料のもととなる穀物を生産するために森林を伐採されたりする事を考慮すると、生産から使用までトータルで計ると環境に優しいのか疑問の声もある。